H「先生、国会への証人喚問がいよいよ来週に迫りましたね」
P「ぼくは断じてレコード会社と癒着などしていないのである。ぼくを肛門するなど
 愚鈍の極みといえよう」
H「あのう、喚問です。そんなこと言っても、先生の月評は不自然な内容がたくさん
 ありますからねぇ。疑惑を持たれても仕方ありませんよ」
P「たとえ不自然でもよいものはよく、悪いものは悪いのだ。それをはっきりと読者に
 伝えるのが評論家のつとめといえよう」
H「だって聴きもしないのにどうしてよい悪いが分かるんですか?」
P「今月号の岩城のベト全のことを言っているのなら、たった一言で終わりである。
 演奏に接しなくても岩城のあの顔を見ればおよそどのような演奏をするかは一目
 瞭然といえよう」
H「そんな評論をしているようじゃ、お布施をもらって評論を偽造することなんか
 朝飯前でしょうな、先生には」
P「いや、ぼくはリベートを要求したことなど断じてない。姉歯氏、いやレコード会社が
 ウソをついているのだ」
H「ここにレコード会社に充てた先生の手書きのメモがあります。”推薦マークが欲し
 ければお布施をいただきたい”。指示じゃないですか。リベートの支払いを指示してる
 じゃないですか!」
P「そ、そんな無機的なメモこそ偽造といえよう。少なくともぼくの魂にはなにも
 訴えて こない」
H「筆跡鑑定をすれば、司法に訴えるには十分ですよ。これで先生の評論家生命は
 おしまいですな。あとはあたしが月評欄と”死期折々”の1ページを引き継がせて
 もらいますわ」
P「こ、こうなったら仕方がない、それっ、ぼくの尻を舐めろ!」
H「ぎゃあ!!臭いっ!!!」

新聞 「音楽評論家H林氏、謎の毒ガス中毒で瀕死の重症」