12番の評価の低さが気になっている。いわゆる「レーニン交響
曲」ということで、体制迎合の曲ということが評価の低さの一因
になっているけど、べトの「英雄」だって、そもそも「ナポレオ
ン交響曲」なわけでしょ。ショスタコはスターリンに苦しめられ
てたけど、レーニン時代は別にひどい目にあわされていたわけでは
ないし(ムラヴィンは貴族の出だから、大変な目にあったわけだが)
別にレーニンの崇高な理想をたたえるというのは別に間違ったこと
ではないと思う。それなら、「英雄」も駄作ということになる。一方
で曲のスケールが「レーニンをたたえる」にしては小さい印象をうけ
る。ショスタコの力量なら、もっと当局好みの派手なだけの曲はつくれる
だろうから、そういう角度で考えると、適当につくったものではないと
も思う。そしてなにより、レーニンにうらみをもってるはずのムラヴィ
ンが、すばらしい演奏をしているという事実を考えると、音楽そのものが
決して浅いものではないからだと思う。ショスタコの評価はもう少し時間
がかかるんじゃないかな。主観的な、ソ連社会とのむすびつけての論が多
すぎるから。