クラシック音楽が、ある種の普遍性を獲得した“世界音楽”のごときものだとするならば、
オペラは、明らかにローカルな特殊性を多分に残したジャンルだと思う。
つまり、西洋白人文化的なローカルさが、日本人には受け入れにくいのだ。
交響曲に代表されるような器楽に、そのような西洋ローカルな特殊性が全く無いとは言わないけれども、
クラシックが世界音楽的な普遍性を持っているという前提を、とりあえず認めるとするならば、
西洋文化を後付けで学んだ日本人にとって、オペラより交響曲が身近に感じられるのは、
むしろ当然と言ってよいのではなかろうか。
それが問題だとするなら、検討すべきは、日本人の特殊性では無く、オペラのローカリティであろう。
特に、ベルカント唄法については、一種の民族音楽的特殊唄法ではないかと疑ってみるべきである。