だったら尚のこと、◎ディスクだけ紹介しておればよろしい。

「目新しさを感じない評価を網羅しているという点が目新しい」
そりゃ過去に評価されたもののパッチワークであれば、
外れは自ずと少なくなる罠。しかし、吉井に羞恥心はないのか?

私は評論家にうまいラーメン屋を教えてほしいとは思わない。
どういうラーメン屋かを教えてほしい。その情報を元にあれこれ食べ比べて
自分の味覚を育てる。外れもあるかもしれないが、時には思いもよらない
おいしさとの出会いもある。また、最初は外れと思ったものでも、後で良さが
分かることもある。そういうときの喜びは本当に大きい。

オーマンディにはオーマンディのよさがあるし、ケーゲルにはケーゲルのよさがある。
ブリュッヘンにはブリュッヘンのよさがあるし、ガーディナーにはガーディナーのよさがある。

だが、例えば「名盤鑑定」を謳うこの本を見た初心者はどう思うだろう。
いらぬ先入観を与えてしまうだけではないか。

自分(だけ)の物差しにあわない演奏をわざわざ取り上げ、よく聴きもせずにいい加減な
批評で切り捨て、それによって聴き手の可能性の幅を摘み取るようなガイドは要らない。
ココで語られていることを見るにつけ、吉井の思い上がった傲慢さに不信感が募る。