インバル師、本当に大変そうだった。第一楽章は、何と言うか…何かがかみ合わず、不発、といっ感。弦楽器群が存分に弾ききれなかったか。
一楽章後、指揮者が指揮台脇の椅子に腰を下ろし、長い沈黙。かなり心配になった…。
水か何かの壜を開け、グラスに注いで飲み、やおら立ち上がると「さあっ」と第二楽章。
ここで、管弦楽が急に生気を帯び、流れが変わった。ぎゅうぎゅうと弦に弓をこすり付けるような重量感満点の音にめりはりがつき、劇的に好転。
終楽章は、個人的な好き嫌いでいえば、さらに情緒に訴えるものがあっても…、ではあるが、
もたれない適度な速さで、ずしっとこたえる音と歌が堪能できた。満腹。
客席は、硬貨をこぼす音が何回か興をそいだが、最後の音の消えた後、充分な余韻が残った。
そういえば、管弦楽団員の登場時に暖かい拍手があり、マナーは申し分なし。
…それにしても、不可解なほどの空きよう。6割くらいか?
他の会場が盛況ならいいが、これに懲りて「もう来ない」では、あんまり。
しかし、機敏、スムーズ、緻密、といった印象はおよそ無かったが、実に密度が高く柄の大きな響きであった。