ワルター、バーンスタイン、テンシュテット等は、作曲家への感情的共感と
いったパーソナルな思い入れによるロマン的側面の表出を何よりも重視した。
一方、アバド、レヴァイン、ジュリーニ、シャイー、ブーレーズ等は、
そうした思い入れを頭からあっさり取っ払って、新ウィーン楽派へと
つながるポリフォニックな音響体としてのマーラーを再創造した。
一部のマーラーファンには前者こそが本物のマーラーとして絶対視する
傾向があるが、70年代以降のマーラールネッサンスは後者が主流となって
勃興したことを忘れてはならないだろう。
その意味でバーンスタインのDGへの再録音は、歴史的に貴重な遺産であるのと
同時に、多面体としてのマーラーのごく一部の世界を極めようとしたものに
過ぎないと認識した方がよいと思うのだが・・・