>>282
ウィンナクラリネット奏者の中でもこの人の音ってなんか別格だと思う。太くてかつ
これ以上ないほどまろやかで、どの音域でもムラがない。
それに加えて、言葉には言い表せない圧倒的な存在感があった。インテンポを基調
にしながらも呼吸するような自然な伸び縮みがあり、聴く者の生理にぴったり寄り添う
ように音楽が溶け込んでくるようだった。ウラッハみたいに技術的な欠陥もなく、クラリネッ
ティストに不可欠な要素がすべて兼ね備えられて、高次元で融合したような、これぞ
名手というにふさわしい人、それがプリンツだった。
この人の全盛期の録音を聴くと、ほんともうため息しか出ません。