連載 許光俊の言いたい放題 第41回
「日本作曲家選輯〜片山杜秀氏のライフワーク」

 今からちょうど二十年前のこと、大学に入った私は片山杜秀氏と知り合い
になった。伊福部がいいとか、「ゴジラ」の音楽が好きだとか、かと思えばレイボヴィッツ
のレコードをたくさん持っていたり、私がそれまで知っていたクラシック愛好家と
はまったく違うので、いやはや世の中にはいろいろな趣味の人がいるものだと驚いた。
しかも、毎日のように現代音楽のコンサートに行き、死ぬほどレコードや本を買ってため
込んでいるありさま(その偉容は『レコード芸術』にも出ていたから、ごらんの)に、
自分は何と常識人だろうと思ってしまった方も多いでしょう
 以来(というか、その前から)、片山氏の情熱は変わらず日本音楽に向けられている。
あげく、氏がそそのかしたのかどうか、ナクソスで膨大なシリーズが始まり、着々と新譜が
発売されている。遅ればせながら、ようやくそのシリーズをまとめて聴いた。
 けっこうおもしろいじゃん、というのが、乱暴だが正直な感想だ。念のため付け加えておくと、
けっこうおもしろいと思えるものは、そうそうあちこちにあるわけではない。