>>275
禿同

中村紘子を非難する人は彼女の演奏を真面目に掘り起こして聴いていない。
直近のコンサートやテレビでちょこっと拝見しただけの人が大多数。
それ以上に本物の「メカニック」を知らない。
もとより「メカニック」とは冷徹で全く体温を持たない正確性そのものだ。
パデレフスキやナット、ソフロニツキやリヒテル、ホロヴィッツと言った
ネーム、そしてその「芸術表現」の肩書きに幻想を抱き、いわゆる「テクニック」
と混同するのは今に始まったことではないが、殊にピロコスレはそういう連中が多い。

そういった者たちはハフ、アムラン、横山幸雄、クレショフのような
まさに「メカニックで聴かせる人」を貶める。
まさに「学歴?それがどうした?」というレベルの世界である。学問が持つ意味を問わぬまま。

「メカニック」は「テクニック」と違い、それ自体は全く芸術ではない。
しかし「メカニック」だけで十分に芸術に仕立て上げることができる理想こそが邦人
演奏家の目標であり、それこそ天才というよりも努力や根性で形容される類いの能力
を追い求めていたのは我々だ。

国際的な非難を中村が一身に受けるのはいかにも理不尽で、日本人が勝手に路線を変えてきたと
いうべきであろう。あくまで猿真似で「追いつけ追い越せ」のピアニスト量産時代をよく知るも
のは絶対に中村に対する軽々しい発言はしない。数年前までは考えられないほど理系的世界
が広がっていた。逆に言えば最近の邦人の「メカニック」レベルはガタ落ちしている。

もともと日本人のクラシック感覚は数十年どころか数百年遅れている。
やり方はどうであれ日本にまずショパンの良さを伝えこんだ一人が中村。
その方法としてメカニックをとったというだけである。