歌手が歌いやすく、ソリストが弾きやすいような指揮者だったといえるのでは。
ギーゼギングのシューマンのPconを聴いてると、ブルーノ・ワルターとはかなり衝突した
新即物主義のピアニストが、フルトヴェングラーとならあれだけロマンチックに弾きこなせたのは
フルヴェンがワルターほど音楽の押し付けをせず、ソリストのノリを引き出すことがうまかったからだろうね。
エドウィン・フィッシャーとの「皇帝」は、その典型的な例で少し物足りないけど
ピアニストとしては悠々と弾いている。
オペラ指揮者としては、シュワルツコップが「フルトヴェングラーのテンポだと何度も息継ぎをする必要がなくゆったりと歌えた」
と証言している通り、歌手が歌いやすいように指揮していたのではないかな。
またベームほど歌手に対して厳しすぎることもなかったようだね。
もっともこれらはすべて晩年の話で、20年代にニューヨークフィルを指揮したときはホロヴィッツやラフマニノフと衝突した。
カザルスさえもフルトヴェングラーのことはあまり気に入っていなかった。
当時のフルトヴェングラーはリハーサルでとことん神経質なほど追及しないと気がすまなくて、それが反感を買ったらしい。
しかし、実演は大成功だったものの、以後ニューヨークフィルを振ることは一度もなかったし、それらのソリストと再共演することもなかった。