ヘンデルの『アグリッピーナ』を、最近評判になったマルゴワールではなく
ガーディナーで聴く。マルゴワールのヘンデルはすでに『リナルド』を
愛聴しているのだが、ガーディナーのヘンデル・オペラは
聴いたことがなかったので、こちらを入手することにした。

聴いた感想は、ガーディナーが90年代にヘンデル・オペラを振ると
こうなるんだろうな、という感じ。曲想づけはどのナンバーを取っても
的確で、全体の運び方もいい。個性的なキャスティングだし、
表情づけの激しいところはそれなりに激しいのだが、ただそれが、
予定調和的というか、すべて聴く側の「想定内」の曲想の変化にとどまって
いる。聴いていて「おっ!」と思わせられるような、
ワクワクするような魅力には欠けるのだ。

これはよい演奏だ。ただ、もっと若い(たとえば80年代はじめごろの)
ガーディナーだったら、もっと生きのいい演奏を聴かせただろう。
それが残念だ。