第8番はブルックナーにとって、ベルリオーズ「幻想」のような標題音楽で
あったと解釈している。シャイな彼は、その内包された「物語」をついに
明らかにすることはなかったが。
第1楽章での天国への階段を上っていくような主題と、その後の挫折と混乱を
現す主題が、第3楽章で再現されるが、クライマックスではついに天国の扉が
開かれる。そして、天国でこれまでの長い苦難の道のりを回想し、感謝を捧げる
3分半余りの平安に満ちた音楽。ここに至るまでの音楽の長さが、この3分半
余りの音楽の素晴らしさを一層高めている。
まさに、音楽史上最高の交響曲だろう。