17日の「フィデリオ」を視聴してきました。
1幕は、音も抑え気味に精緻に精緻に描かれ、フィデリオが救出される2幕から
オペラらしく解放されますが、そのオペラの幕切れ、フィナーレの圧倒的な合唱。
その合間に、レオノーレがこう喜びを現します。

その瞬間に伴奏として、パユ(フルート)とオーボエ奏者が、奏でた
まさに天国的なパッセージ。音色・・・オペラを聞いていて、これほどまで美しい音楽と
音色を聴いたことはありません・・きっと自分が天国(かどうかはわからないけれど)
に足を踏み入れるときに、きっと思い出すに違いない、物凄く美しいアンサンブル・・
こんな音楽が、フィデリオにはあったのに、自分は今までなにを聞いていたのだろう・・

同様に驚いた瞬間は、数知れずありました。囚人の合唱の、合唱が始まる前の前奏・・
あの、弦パートが一つづつ重なっていくところの、なんと美しい天国的なハーモニー。
こんな美しいハーモニーは、フィデリオには、ほんとは似つかわしくないんじゃないか・・・
そうまで感じた、異常なまでに研ぎ澄まされた、透明な、繊細な、でも強靭さは失わない
世界最高のオケが見せた、驚きの瞬間。美しすぎる・・

木管群の素晴らしいハーモニー。パユを中心として、室内楽でも奏でているような、
でも、歌手の息遣いをじっと聞いて、それとラトルの指揮をじっと見つめて、
その2つから導かれるべき最高の答えを、木管、金管と呼吸を合わせながら、顔を
見合いながら、奏でていく・・

そして、弦楽器の多彩な表現。多彩な音色。2幕冒頭のフィデリオのアリアの前奏の
ふくよかな輝き・・フィナーレの合唱での、ラトルが要求した猛スピードに、余裕を
もって応えるオケ・・
全てが、夢のよう・・これは、オペラなのだろうか・
ベルリンフィルの首席奏者が揃って最高の演奏を堪能しました。