「アビー・ロード・テクノロジー」(art)シリーズ第三回
クレンペラーのマーラーは、いずれも一聴に値するすぐれてユニークな名演揃いだが、
なかでもこの第二番《復活》は4の《大地の歌》とともにかけがえのない遺産と言うべきである。
虚飾を排して、がっしりと作品を掴み取った演奏の堂々たる構えとインパクトは、
この巨匠ならではのものだろう。
・音質比較=六一年の録音で、編成の大きなこの曲としては、全体にちょっと響きが薄く、
通常盤は音の角が目立つ感じだった。artは、響きはやはり少し薄いが、
S/Nがよくなっているからだろう、刺激的な音が少なくなり、細部の動きや呼吸感がしなやかになっている。
独唱もより美しく整い、フォーカスも自然な感じで、声の輝きと深さをなかなかバランスよく再現してくれる。

レコード芸術  2002年4月号