すべての快感の本質は、反復にある。その事実において 祈りと性行為がイコールで結ばれる
ことを理解した。僕は宗教の真の快楽を知りつつあった。自我なき反復。これが最上のものだ。
キリスト教において 性が嫌悪忌避されるのは、 快感というひりつくような おまけで誘って祈り
よりも わかりやすいかたちで 簡単に自我なき反復の境地に誘いこむものだからなのだ。

『 ゲルマニウムの夜 』花村萬月著 第119回芥川賞受賞作
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BIJIN-8/fsyohyo/gerumani.html