>>362のような「便所の落書き」を新書に書いちゃう一方、音楽雑誌にはこんなことも。

一方で世の中には老齢の演奏家に対する人気を貶めないと気が済まない下品な人間もまた、いる。
いわく、「日本人は老人が好きだ」とか、「他に巨匠がいなくなったから、人気が出た」とか言い張って、老音楽家に対する人気に水を差したいらしいのである。
しかし、私に言わせれば、音楽自体に依拠しない批判は、単なるひがみ、やっかみ、中傷、冴えない推測でしかない場合がほとんどだろう。
もっと重要なのは音楽それ自体について語ることである。
「日本人が老人が好き」であることや、「他に巨匠がいない」ということが、いったいどれだけ音楽の本質と関係があるのか。
あるならあるで、それを説くべきであって、こんな中途半端に訳知り顔の評論にはうんざりだから、私は音楽雑誌をほとんど読まない。

(「ヴァントの普遍主義」 『音楽現代』2000・8 『クラシック批評という運命』(青弓社)所収)