千手毬藻さんの推薦図書、「ニセモノ師たち」中島誠之助著(講談社)は
実は私も数年前に買っておりました。私も皆さんに強く推薦しますよ。
骨董売買の現場や骨董での騙され方が、あまりにも楽器売買と同じだからです。
それで何処にしまい込んだかと書庫を探しておったのですが、見つかりましたよ。
頁を開きましたら含蓄のある文章が目にとまりましたのでご紹介しましょう。
私が「にせヴァイオリンを買わされる人間は大抵、演奏家として、人間として問題がある」
と書いてきたココロをお判りいただけるでしょうか。

《ニセモノと交わればニセモノになる》
ニセモノは塵のようなもの。とるに足らないものです。
ニセモノは私に言わせればゲテモノです。ゲテモノは最初から人を騙そうとたくらんで製作したものですね。
そういうものを製作した人間、製作したものを取り扱い売る人間、そしてそれを買う人間、
それが一つの世界、それこそニセモノの社会を作っています。
ニセモノにはニセモノだけの世界があり、そのなかで経済活動がおこなわれている。
ホンモノはホンモノ社会の中で動いていくし、ニセモノはニセモノ社会の中で動いていくわけで
両者はあまり交わることがありません。(中略)
ホンモノを扱うホンスジの骨董商の立場から見ると、ニセモノの世界でうごめくというのは
美意識から見て、人格的には一段低いランクの世界だろうと想像します。