◇6歳から天才ぶり、学業も抜群−−小山裕幾さん(新潟県立長岡高校3年)

今年、このコンクールでフルート部門が行われることを、課題曲発表の今春まで気づかなかった。
高校3年。「受験勉強と重なるのでどうしようか」と迷ったが、
「フルートを第一に」と決意。大学は一流校への推薦入学を得た。

「天才」という言葉を多くの音楽関係者が口にする。
6歳でフルートを手にし、たちまち大人にも難しい曲を次々に吹いた。
中学1年で全日本学生音楽コンクール(学生音コン)フルート部門中学校の部全国1位、
高校1年で同高校の部全国1位、今年、日本音コン1位。

中2のとき、日蘭のコンクール交流事業で、何人かの学生音コン受賞者と共にオランダ・ツアーを行い、
現地で総立ちの称賛を受けた。

「それまでは人前で演奏するのは緊張するから嫌いだった。
オランダに行ってから、聴衆との交流や演奏家同士の雰囲気が楽しくなった」

悩みは進学問題だった。
理数系で偏差値70と常にトップクラスで、学業のほうも周囲から大きな期待をかけられているのだ。
「確かに勉強も面白い。でも今回の本選で特にモーツァルトのフルート四重奏曲が
聴衆の皆さんと音楽を共有している感じでとても楽しく吹けた。
聴衆から聴衆賞(岩谷賞)に選んでもらったのもうれしい。聴き手とのこの関係は自分にとって大きな魅力です」
と、演奏家としての気持ちを固めつつある。

関係者のなかには「彼なら学問と音楽の両方で一流になれる」との声もある。
音楽性豊かで、知的な、とてつもなく大きなフルーティストが生まれそうだ。
本選後地元の長岡に戻ってすぐに地震に遭ったが、家族全員無事だった。