再び柴田南雄「わが音楽・わが人生」より

当時の諸井さんの現代音楽の感想では、ベルリンで初演された
プロコフィエフの「第5ピアノ協奏曲」については、じつにくだらない音楽で、
「第3番」のほうがはるかによいと言われた。

また、そのころ新響の定期に出たレスピーギ編曲のバッハの「パッサカリア」に
ついては、今、あのような仕事をしたい気持はわかるが、どうも感服できぬ、
という評言だった。

また、ある時フォーレのチェロとピアノの「第2ソナタ」(作品117)を、
珍しく諸井さんとわたくしとで遊びに弾いたことがあったが、
フォーレの音楽はあまりに淡すぎる、と言われたのを思い出す。