エレーヌはユニテル映画とミンコフスキー版はかなり違う。
ユニテルはドイツ語だし、オーセンティック志向くそくらえ(この制作当時そんな潮流なかったけど)のアレンジ・オーケストラ版。演出は奇抜というより野放図で、井上ひさしの人形劇みたいな楽しさがある。歌手はえらく豪華。
オッフェンバックファンは両方観ておくべきだろう。
ドイツ語版オッフェンバックは、彼がドイツ人であるとか、生前もウィーン初演をほとんど自ら手がけたとかという以上に、死後から1970年代までの上演の中心をドイツ・オーストリアで担ってきたという伝統の厚みがある。
そのかわり本国フランスは百年近くさぼってきたぶん、まさに冷凍保存で蘇ったかのような新鮮な強みがある。
どちらも捨てがたいところがこの作曲家の懐の広さだろう。