類推手段
  なんにしても、指揮者どうしを比較するには、なんらかの比較基準が必要だ。
 例えば、指揮者Aに比べて指揮者Bはおだやかだ、とか、指揮者Aに比べて
 指揮者Cはテンポが速いとか、指揮者Aに比べて指揮者Dは音が小さいとか、
 なんらかの基準を自分の中で設けて、それに準じて他の指揮者を評価しないと
 統一性のとれた比較ができない。
  そのためには、まず、自分のお気に入りの指揮者を一人決め、その指揮者の
 演奏を徹底的に聴き込み、その特徴を確実に把握する必要がある。そして、
 それにより培われた基準を元に、自分の耳を頼りに、他の指揮者の演奏を
 聴く。そして、比較する。そして、評価し、どの点が優れているのか、どの点が
 改善すべきかを判断する。この時に、するべきことは、指揮者どうしの間で
 優劣を決めることでなく、個々の指揮者が持つ個性をつかみ取ることである。
  とにかく、音楽を聴く上で、頼りになるのは、自分の耳だけである。他人の
 評価に流されていては、いつまでたっても、音楽に対する真の価値観は
 養われない。