>>166
>しかし、EMIはそうならなかった。音に対する拘りがなかったからだ。
そもそも「自社サウンド」というのは、あくまでステレオ時代に便乗しようとしたレコード
会社の商売上の戦略であって、音質に対するこだわりとは関係ない。米コロンビア、
DG、フィリップスだって「自社サウンド」を売りにはしていなかっただろ?

そもそも「自社サウンド」を標榜するレーベルは、高音がきれいに出ないなどという当
時の再生装置の一般的な弱点をカバーして売り上げを伸ばしてたいたが、EMIのエ
ンジニアは早くからダイナミックレンジにこだわっていた。その後再生装置の性能が
上がるにつれてEMIの録音の優秀さが広く理解されるようになった。逆に優秀とされて
いたデッカやRCAの録音が意外に癖の強い(不自然な)録音だというマイナス面がある
ことも明らかになった。デッカの有名な「ソニック・ステージ」に対する評価の変遷を見て
も判るだろう。

オーディオの世界では50年代は広帯域、60年代は低歪、70年代は位相管理、80年代
はダイナミクスがテーマだったと言えるが、デッカは50年代的ではあったが、EMIはより
未来的だったことになる。

音質に対してこだわりがないとすればそれは東芝EMIのことだろう。あるいはEMIグルー
プはデジタル録音、CDでは大きく出遅れ、80年代は確かに録音、マスタリング、プレス
ともに最悪だった。(90年代以降はキャッチアップしている)。この2点が現在のEMIの
イメージを悪くしていることはあるだろうが、他の時代のEMIの優秀さを知らないなら
それは不幸なことだ。

つか、原則的には米London盤は英国プレス、独Teldec盤は独自カッティングだよ。日本
盤でも評判の「スーパーアナログ」シリーズは国内カッティングだしね。ボクに言われる
まで知らなかった? つまり、デッカがテープではなくメタル原盤を輸出したのは商売上
の理由であって、音質に対するこだわりなんかじゃないんだよ。もちろん、デッカ録音の
独自の優秀さも大いに認める。でも、だからといってEMIを貶める必要は無いだろ?