マリア・クリーゲルの『ブラームス・チェロソナタ集』は真にドイツ・オーストリア的な名演です(NAXOS 8.550656)。
特にヴァイオリンソナタ1番Op.78『雨の歌』のチェロ版の演奏の、第一楽章の出だしの響きは、戦前のアドルフ・ブッシュの伝説的名演とそっくりなのには驚いてしまいます。
これもやはり、伝統の力というものでしょうか。
ロストロポーヴィッチやヨーヨー・マーの演奏ではどうしても違和感が残るブラームス独特の和声構造・拍節構造を、ドイツ人女性のクリーゲルは実に自然に消化し、豊かな中低音を生かしきった名演を他の2曲のソナタでも演じています。
お値段も約千円ですので、絶対に損はさせません。