ケンプの技巧は70年頃から来日するたびに衰えが目立ったな。
皇帝の最後の音階すら弾き飛ばしてしまっていたもんな。
この頃の印象が「ケンプの技巧は・・・」の元だろうと思う。
また、モノラル期の録音でも細部にこだわる方ではないし、
テンポもややゆっくり目。でも、楽曲を再構成する能力、対位法旋律の
見事な歌わせ方などから、並々ならぬ力量が推察できる。トリルも美しい。
「さすらい人幻想曲」などただ速いだけのリヒテルなどとは大違いの
立体的な表現だと思う。技巧的にはアラウと双璧か。