16人のピアニストたちの指の力と耐久度を見る内容だった。
彼らに与えられた課題曲は、シューマンが作曲した2分半程の『狩りの歌』――
全体がフォルテで、この練習を激しく繰り返したシューマンが、
自殺に追い込まれたとも言われるイワク付きの作品だ。

奏太郎が人形師・中村フミヨ(菅井きん)に作らせた、
ピアニスト達の10本の指をそれぞれ固定するためのゴム。
マリオネットのような状態になる16人は、このゴムの上への反発に逆らいながら、
メトロノームに合わせ『狩りの歌』を5時間エンドレスで引き続けなければならないのだ。
途中で弾けなくなったり、スピードに付いていけなくなったら、即失格。
奏太郎は、この仕掛けがかつてシューマンが考案した器具を応用したものだという。
だが、超絶技法を習得しようとしたシューマンは、
この器具のせいで指を傷め、ピアニストとしては再起不能になっていたのだ。