今までしゃれですましてきたが今週のさすがに納得いかない。
悪魔的才能を持つ芸術家ならその空間にも最高の環境を要求するのは権利であり
義務。観客を含めたその空間に常識では再現不可能な芸術を再現してみせるのが
最高の芸術家。

リヒテル然りホロビッツ然り、録音では知ることのできない最高の芸術を執行す
るのにその道具や関係する人間空間そのもに、全て最高のものを要求するのは、
最高の芸術を再現しうる自信と責任があればこそ。

クライバーのごとく「今日は気分が乗らないから」とキャンセルすることが許さ
れるのもそれを許容しても「では、気分が乗ったときの演奏を聞きたいものだ」
という観客が絶えないからこそ。そういった信者を獲得したものこそが「悪魔と
取引をしても才能を手に入れた」芸術家と評価されるべき存在。

どんな状況でも、音楽(クラ)に理解のない人にも音楽の楽しさを教えてあげた
いなんてレベルの人間は音楽教師やらアマチュア音楽家もどきでもやってればよ
い。

著名な画家が衆人環境でも絵を書けなければいけないなんて話は聞いたこともな
いし(「そこは普通『青』だろ〜」とか周りから言われながら描けるものだろう
か?)。芸術空間という存在を理解しない芸術の敵が書いた脚本と言わざを得な
い。

無論、「多数の観客の中の自分と同調できるたった一人の為に、全ての状況を
無視して排除的な芸術を再現する」なんていう主人公の女がやった行為は芸術と
呼ばれる人間が最もやっていけない最低の行為。