ポーコー 「H林くん、ちょっとこれらの写真を見てもらいたい」
H 林 「ええと、フルヴェン、クナ、ワルター、マタチッチ、シューリヒト、ムラヴィン、
 ヴァント、ゲルギエフ…先生の贔屓の指揮者ばかりですが」
ポーコー 「ぼくが心から敬愛する彼らは、みな一様に頭がハゲているといえよう」
H 林 「クナやワルターはそれほどでもないですけど、まあだいたいそうですね」
ポーコー 「一方でカラヤン、マズア、ドホナーニ、アシュケナージ、ムーティ、レバイン、
 メータ、小澤といった外面的表面的で精神性の乏しい指揮者は、歳をとってもみな
 フサフサなのである。これは音楽史上の一大発見だといえよう」
H 林 「…それで?」
ポーコー 「人間の心や精神は顔かたちに表れるのだ。音楽に情熱的に体当たりして
 いのちを賭けるような真に偉大な芸術家として名を残すためには、ぼくもハゲる
 必要があるのではあるまいか」
H 林 「でも…コバケンはロン毛ですが?」
ポーコー 「あの長髪は不自然だ。ヅラだといえよう」
H 林 「逆に先生のお嫌いなショルティやハイティンクもハゲですね。バレンボイムも
 かなりキてますし」
ポーコー 「例外というものがあってこそ、はじめて根本原則が成立するといえよう。
 さっそくわが社の業務に毛抜け薬の開発・販売を加えることとする。すぐに研究に
 取りかかってもらいたい」
H 林 「そんなもの作ってもだれも買いませんよ。新規開発では費用もかかります」
ポーコー 「わが社はいまや宗教法人なのだから、教祖のぼくが推薦マークを付ければ、
 少々高くても信者はこぞって買い求めるに違いないといえよう」
H 林 「なるほど、さすがは先生だ。小石先生にも働きかけて特薦にしてもらいましょう」


新 聞 「カルト教団、信者に詐欺商法  小便を薄めて”毛抜け薬”と偽る」