★★流失!! クライバー「田園」今月分月評!!★★
ゲットしてしまった。無印だったといえよう( ;´皿`)ノ

 クライバー10年振りの新譜ということで期待して聴いた。
実は輸入盤を既に聴いてはいたが感想は今回も同じ。
 まずはデットな録音に驚く。蚊が飛んでいるような情けな
い音だ。録音について話しても仕方ないので演奏を聴くが、
よくこんな演奏をリリースしたものかと呆れる。少なくとも
ぼくの耳には何も訴えてこない。第一楽章の無味乾燥さは
悪い録音も足を引っ張り最悪となった。速いテンポで進む
が、投げやりのような指揮である。同じ速いテンポでも往年
のシューリヒトの神技、最近のノリントンの遊び心とはまる
で異なる。第二楽章を聴いてもどこにカッコウが鳴いている
のか、小川のせせらぎがあるのか。スケルツォも第一楽章
とおなじことが言える。嵐だけはストレートな迫力が伝わっ
てくるが、心にまでは響かない。フィナーレは少し落ち着き
を取り戻すもぎこちない。コーダに入ってようやく田園を聴
いた気分になる。しかし全体的に採るべきものがなく、何と
も魅力に欠ける一枚である。
 ぼくは昔からワルター/コロンビア響を、最近では復刻さ
れたワルター/ウィーン・フィルとベームの来日ライヴを推し
ているが、この三枚さえあれば他はいらないと改めて断言
したい。チャーミングさを徹底的にきわめた前者と、深い精
神性に溢れる厳しい後者に比べればクライバーも小僧に
すぎないといえよう。