しかし、新盤におけるモイセイヴィチは、速いテンポを好むハイフェッツと
 ほとんど互角にわたり合っており、さらにそのなかなか豪放といえる力強い語り口は、
 ハイフェッツのヴァイオリンとの間にほぼ対等といえるバランスを生み、
 白熱的な緊張感に富んだデュオを実現させる結果をもたらしている。

 また、ここに聴くハイフェッツのヴァイオリンは、
 表面的には端正であるにもかかわらず、何かに憑かれたような熱っぽさと
 異常なまでの集中力の高さを見せており、そこにほとばしるホットな情熱は、
 最盛期のハイフェッツならではの情念の濃密さをも印象づけているのである。
 
 この旧盤は、モノラルではありながらもかなり良好な音質を保っており、
 現在では入手するのが容易ではないが、無理をしてでも聴く価値のある格別の名演である。

――― 柴田龍一

長文スマソ
「パガニーニとリスト」と評されるフーベルマン&フリードマンに較べて
間違いなく引けを取らないのに知名度が低いのは一体・・・