別な批評家の評価も聴かせてあげればよかったんだけどね。
(西村弘治:沈黙と音楽(共同通信社)より抜粋)
>この時代に好いピアニストが絶えてしまったわけではない。
>強力でいて音楽を圧殺することのない、非力で音楽になる
>以前の未熟なままでもない、そんなピアニストがいることはいる。
>初めて日本に来たペライアを聴いたとき、私は、そんなちょうどよい
>ところに立っている、しかし例外的なピアニストを見いだした。
>(中略)
>テオドール・グシュルバウアーの指揮する読売日本交響楽団が鈍くて
>重く、ペライアには半分も受け答えできていなかったが、
>(中略)
>そこではオーケストラも含めて日本の聴衆という土壌も問題になる。
>ペライアの音が濁っているというふうな批評もあったが、それは
>比類ない言語的なニュアンスを理解できない無知から発したものではなかったか。
>一時が万事で、この国ではこのピアニストと擦れ違いこそすれ
>出会うことができた聴衆はたいへん少なかったのかもしれない。(後略)