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カラヤン没後10周年記念コンサートのアッバード/ベルリンフィルによる
モーツァルトのレクイエムは、衛星放送で生中継されたのを見たが、
カラヤン時代とはおおよそかけ離れた薄っぺらで艶のない濁った響きと
異様に捻じ曲げられた解釈に愕然とさせられたのを憶えている。
その後、カラヤンによる同曲のCDを聞き、そのあまりに崇高な美しさに
感動するとともに、失われたもののあまりの大きさにやりきれない気持ちに
なってしまい、人知れず涙を落とした。
あの時からさらに5年の月日が過ぎ、現在のベルリンフィルは、
カーリーヘアの英国人音楽監督による不自然に凝り固まったスタイルに
すっかり毒されてしまい、かつての重厚な美しさから遠ざかるばかりだ。
マ−ラ−の5番のCDを聞きながら、もう二度と再現しないであろう究極の
演奏芸術を残してくれたカラヤンに改めて感謝の意を捧げたいと思った。