アシュケナージは確かに良く弾けてる。音大生あたりがこれを模範とするのも分かる気がする。
しかし、結局のところ音楽が右手主導型。換言すると、立体感の無い音楽。
メロディーだけを取り出して聴くと音楽的だが、その背後でハーモニーが微妙に変化しても
表情は変わらず、何の驚きも無い。和声的な緊張や解決がほとんど感じられない。
結果として、和音は機能性を失ったただの音の塊でしかないように聴こえる。
そして、かわりに強弱記号に頼っての演奏設計となってしまう。
さらに音の質があまり良くない。強音が金属的。

結論:
見事なピアノ演奏で、これほどの演奏をするのは、
まさに一流のピアニストのみがなせる技だ。その限りにおいては素晴らしい。

しかし、全くつまらない。一流のピアニストであっても一流の音楽家ではない。