小澤征爾指揮ボストン響と共演したラフマニノフの協奏曲のCDを聴くと、
鍛錬された音楽的構築性と、粒の美しい非の打ちどころのないピアニズム、
そしてリリシズムとパッションを兼ね備えたロマンチシズムに、いつも衝撃
を受けてしまう。録音でもライブでも、その実力は孤高だ。
ちなみにライナーノーツの中に、ツィメルマンのインタビューが載っていて、
興味深いので紹介する。ラフマニノフの3番についてこう語る。
3番の解釈は極めて複雑で、聴くたびに自分がバラバラに砕けていってしま
うのを感じる、と。ラフマニノフの曲は「演奏する」のではなく「その中に
生きる」ことであり、それは、命を危機にさらすような行為とも言える、と。
彼は演奏に命をかけている。