素人の余興の話で恐縮だが、漏れのいる某市民オケでは、合宿の夜にそれぞれ有志で
室内楽みたいなのを披露したりすることがある。以前そこでトロンボーン吹きが
普段ヴァイオリンを弾いてる人にピアノ伴奏をしてもらってソロ演奏を披露したことがあって、
シューベルトの「美しき水車小屋の娘」の2曲目「どこへ?」をまず吹き始めた。
トロンボーンらしい張りのある伸びやかな音色が心地よく流れていく。次に吹いたのが、
同じ「水車小屋」の14曲目「狩人」。オケのトロンボーンならではのffの攻撃性というか
威圧感というか、原曲とはまた少し違う種類の凄味が出ていて、これも良かった。その次。
彼は自分の所有するロータリーのテナーチューバ(笑)に持ち替えて、「冬の旅」の15曲目
「からす」を吹き始めた。クライマックスの“Grabe!”では、まるでマラ7のテノールホルンのような、
暗闇に向かって咆哮するような一種異様な迫力。あれはトロンボーンでは出せないのだろう、と
確かに感じた。最後に彼はもう一度トロンボーンに持ち替え直して、同じく「冬の旅」の20曲目
「宿屋」を吹いた。3本か4本でコラールを吹いているかのように、荘重に。

率直に言って、聴いてて面白かった。まあアマチュアだから技術的な突っ込みどころは探せば
いくらでもあったが、それぞれの楽器の特性を分析して曲に生かそうとしているのは聴いていて
理解できた。少なくとも「からす」でトロンボーンで音を割って吹くようなバカでなくて良かった(w