(続き)
(2)レオニード・ニコライエフ/ソ連邦ラジオ・TV交響楽団
 ソ連時代の1986年に録音されたらしい。ロジェヴェンの向こうを張って、今度は指
示通りの楽器編成らしい(CD解説には楽器編成には特に触れられていないので耳で聴
いた印象)。そのため冒頭から祝砲を表現したような打楽器の轟きに圧倒される。特殊
大編成のためか統制はやや崩れ気味で、ガタガタとした音の塊は異様な印象を与える。
だが、作曲者の全作品の中でも特筆されるほど美しい中間部は、この演奏では際立っ
ており、平和が回復したロシアの自然の露滴るような情景を髣髴とさせる。
良くも悪くも作曲者の意図した演奏がここに再現されているといえるかも知れない。

(3)アレクサンドル・チトフ/ニュー・フィルハーモニアO. AUTHENTICS BEAUX 2103
 この演奏も、おそらく指示通りの編成かと思われ、極度に重なりあった音の塊は何
かハウリングを生じているように聴こえる。だが、この指揮者は打楽器が高揚して
音楽が崩壊すると思われる寸前で急にリタルダンドをかけたり、結尾の単調な繰り
返しを早く済ませるなど、曲の欠点を極力カバーしようという意図が伺える。だが例
の美しい中間部は通り一遍に過ごしてしまうなどチグハグな面もあって惜しい。