いや、ブラ4もいい。でも多分、曲の側の問題だと思うがブラ4はセゲルスタムの指揮で、実はかなり内向的で繊細な性格の男である
ブラームスの女々しい部分が、1〜3以上に表現されている曲なのだということが暴露されてしまった演奏になっているのだ。

ブラ4は、巷間評価されているような立派な曲じゃ全然ない。
初老を迎えたブラームスの自分の人生へのものすごい執着、もっともっと生きたい!というような壮年期を過ぎたブラームスの、
本来は年を重ねた立派な大人が人前でいってはいけないような、公の場でさらけ出してはいけないような、全く個人的で、  
かつものすごく情けない心情を、恥も外聞もなく吐露してしまっているような曲なのだ。
ブラームスは芸術家の特権で、そうした大鶴義舟の涙の会見より情けない五十男の心情を曲にしてしまったのだ。
しかも、そうした本当は情けない内容を隠すために、人生晩年の諦観とか、普遍的で立派な内容を表現した曲、というような外観を装ったのだ。

セゲルスタムのブラ4は、この曲がそうしただまし絵である、ということを暴いてしまった演奏なのだ。
だから、セゲルスタムのブラ4をきいていると「何てブラームスって情けない男なんだろう」「何てブラ4ってしょぼい曲なんだろう」
と感じてしまって、きく気がしなくなってしまうのだ。
だから、1〜3にくらべてあまりきかないので、1〜3ほど人に奨めないのだ。
セゲルスタムのブラ全集をきいて感じることは、ブラームスという音楽家は、反ロマン主義的なロマン主義者であり、
音楽で人間の普遍的な主題を語るふりをして、実は全く個人的なことを語り、人間として崇高なことを表現しているふりをして、
実はガラス細工のように極めて脆い人間の内面世界を表現している音楽家なのだな、ということだ。
こうした傾向は 1→2・3→4 と強くなり、4でこれ以上ないほど極まる。
ブラ4は初演時に反ブラームス主義者に偽善的と評されたが、別の意味でその通りできくに耐えない。

そのようなわけで、セゲルスタムのブラ4はブラームスの最も情けない曲という感じがして、1〜3ほどは強くお奨めしません。