ところがショパンの木枯らしは、広範囲の音域を使い、しかも音が単純に一方向に
流れるのではなく、複雑に上下しながら動いていくということで、これはとうてい
他の楽器には真似のできない、鍵盤楽器でなければできない芸当だ。
だから木枯らしの難しさによって得られるものというのは、ピアノでこんなことが
できたという範疇にとどまらず、音楽全体にとって、こんな表現ができたという
喜びに繋がっている。そこにショパンの想像力の凄さがある。
ピアノでなければできない、ピアノならでの演奏表現の可能性を呈示した
曲ということでは、木枯らしの功績は大きい。