諸君、
諸君がカラヤンのファンということであれば、さぞや極上のステーキのように
肉の厚い、汁のしたたるように豊麗な弦と、轟然と響きわたる金管と、その間
を埋める巧妙を極めた木管の絡みにエクスタシーを覚えるに違いない。
そのような名演をお教えしよう。
「パルジファル」? ノンノン。あれは確かに豊麗な演奏だが、管弦楽の美食
に浸る何せ曲が抹香くさい。
それは「トスカ」の旧盤である。ヌーヴェル・キュイジーヌに転じた新盤ではない。
冒頭から珍しく「う〜〜ん!」という乾坤一擲の気合が聞かれる壮年期のあのレコー
ディングこそ、帝王の真骨頂が聞かれる名演なのだ。
トスカの悲哀やスカルピアの野望に絡み合うオケがあざといって?それがプッチーニだ。
デ・サーバタのような凛とした張りと劇的な人間劇への洞察に欠けるって?それがカラヤンだ。
ああいう音を構築できる能力を持った指揮者は他にいない。
臭いので