深い精神性を感じさせるムソルグスキーだ。全く無機的にならない冒頭
から見事だ。実に微笑みに満ちたクレッシェンドも実にすばらしい。決し
て本質を逸脱しないレガートも息をのむばかりで,ここで宇宿は,感情を
高貴な哀しみに昇華させている。しかも表現が激しい気迫に満ちているの
だ。特にすばらしいのはカタコンブで,これはまさに不健康の極みだ。
 この演奏は宇宿のベスト・ワン候補である。