演奏の感想を

 劇的かつ人間的なショスタコーヴィチだ。切羽詰まった気迫が渦巻く冒頭
から見事だ。言語に絶するほど切なく美しい第一楽章第二主題も実にすばら
しい。この上なく優雅で優美なコーダも息をのむばかりで,ここで宇宿は,
音楽を大きくデフォルメさせながら,しかも透徹した結晶化を実現している。
しかも表現が厳しい精神性を感じさせるのだ。特にすばらしいのはアダー
ジョで,これはまさに人工美の極みだ。