ワインガルトナー/VPO他/東芝EMI
SP時代の最初の全集。ま、お勉強のつもりつきってみるのも良いかも。

トスカニーニ/NBC響/RCA
楽譜に忠実というイデーを掲げ、歴史的存在であるトスカニーニがベー
トーヴェンをどう演奏したかを知るためには聴いておくべきだが、「ベー
トーヴェンがこんなものだと思われては困る」。

フルトヴェングラー/VPO他/EMI
19世紀以来のベートーヴェン像の一面をもっとも良く表したモノとして、
やはり聞いておくべき。その演奏態度は楽譜に拘らず楽譜に込められた
作曲家の思念を読みとり、表現しようとするもので、反対する側からは
主観的と批判される。じゃぁ客観があるのかと言えば、そんなものは幻
想でありあるのは主観のみであると言ってしまえば、フルトヴェングラー
ほど音楽について秀でた観点を持ち得た演奏家は他にいない。嵌れば一
生抜け出せないかも。

ワルター/コロンビア響/CBS
これも19世紀以来のベートーヴェン像を今に伝えるモノと言えそうだが、
やや軟弱で、それゆえノスタルジックな共感をひく瞬間がある。

カラヤン/BPO/DG(62〜3年録音)
トスカニーニとフルトヴェングラーの良いとこ取りを企てながら、新世
代のベートーヴェン像を確立しようとした企て。20世紀中にはトスカニー
ニのイデーの継承としての外面に目が向いたが、今となっては(ピリオ
ド楽器のベートーヴェンの出現以降)根っこに持つロマンチシズムがフ
ルトヴェングラーの後継者としての側面を強く感じるのがおもしろい。
マニエリスティックな75〜77年の再録音、たがの緩んだ80年代録音よりは、
やる気満々のBPO最初の全集を取る。