まあもちろん、前例がないことをしてこそのバッハ、ではあります。
既成概念からするとあまりにも非ペダル的な音型も、379さんの表現を借りれば
「バッハのスペックが変化すればあり得ないわけではない」(>>414)かも知れません。
しかし、(相対的に)演奏技法の誇示に重点があった若いころですら行って
いないようなきわめて高度なペダル演奏技術を、(相対的に)理論重視の
「フーガの技法」で用いるだろうか、という疑問が残ります。
演奏技術は気合と根性と訓練で何とかなるかもしれないけれど、
そういうことを表現するための曲ではないはずです。

楽器のスペックが上がるとそれを活用した曲を作るのは、バッハの性格からしても
ごく自然なことと言えるでしょう。実際、クラヴィーア曲にはそういう面がある。
ペダルC-g1、マニュアル1H-e3、Cis付き、というオルガンが作られ、バッハが
これに出会っていたならば、そのスペックをフルに使ったオルガン曲として
「フーガの技法」を作曲した可能性は十分あります。問題は1730年代後半〜
40年代初頭にそのような「出会い」があったか、ということ。これが証明できるなら、
動機と成果が一致することになり、俺もオルガン説に寝返ろうかな、とも思うが、
いまのところ証明できなさそう。
オルガンの音域を気合や根性で乗り越えることはできません。

オルガン説に対する俺の意見はだいたいこんなところです。