フレデリック先生は静かに低音のコードを鳴らし始めました。
そのコードに乗った何とも言えない三線の即興が、フランツ先生の登場です。万雷の拍手。
先生一言「私のピアノはまた後でね。この三線は唄の伴奏です」。
若干ラフな格好で、習い始めて1ヶ月の三線を自在に操ります。
そして登場の夏川りみさんの「涙そうそう」。
夏川さんの澄んだボーカルに大先生二人のいきなりの即興が夢のように絡みます。
サビでは三人の絶妙のコーラスで会場もうっとりです。
三線を夏川さんに渡して、今度はフランツ先生が「さとうきび畑」を綺麗な日本語で歌います。
次第に暗闇が会場に広がっていますが、歌と闇がうまい具合にブレンドされています。

夏川さんを大拍手で送ると、フランツ先生がMC進行をします。
「兄さん!」の声とともに、ステージ上にはフランツ・シューベルト先生が上がって来ました。
リ「兄さん!きって来てくれると信じていたよ」
シ「弟よ、それにフレデリックも頑張っている所に私が来ないわけないじゃないか」
ショ「楽しい音楽を聴かせてください!」
シ「うむ」

二人にうながされて、シューベルト先生は恥ずかしそうにピアノに向かいました。
簡単な自己紹介の後、「人生は楽しい。たとえ本当に大変な時でも歌があるのさ」。
そして猛然と弾き始めたのは、さすらい人幻想曲D760! 聴衆もやんやの喝采です。
「兄さんが、輝いている!」、フランツ先生は感涙にむせんでいます。ポンと肩を叩くフレデリック先生。
二人はやはり親友なのでした。