>>45
シャイー「デッカだって、中には質的にはちょっと疑問のある内容のものも出てきてしまっていますよ」

インタビュアー「LP時代より簡単に作れるようになったことがいけないんでしょうね」

シャイー「自分自身のことをお話しすると、私もいずれベートーヴェンを録音したいとは思っているんですが、
心の中で準備ができていないのと、市場がそれを求めているのかどうか、ということを考えるんです。
それこそ古いものから新しいものまで、星の数ほどベートーヴェンの交響曲の録音があって、
今ここで新しいものを出したとしても、はたしてどうか…」

インタビュアー「そうおっしゃるシャイーさんはすばらしいと思う。
普通だったら、レコード会社に煽られてやっちゃいますね」

シャイー「安易にはしない方がいいですよね。そういう録音を出したとしても、おそらくはすぐに市場から
消えてしまうだろうし、レコーディングというものに対する自分の視点まで失われてしまうような気がします。
そういう契約は一切結びたくないと思っています」

インタビュアー「シャイーさんのCDの作り方は、1枚1枚をとても重く考えているんですね。
そうじゃない演奏家もいて、量産でどんどん出す人もいますから…」

シャイー「自分の録音が将来の人類の遺産として残る録音かどうかは自分が決めることではありませんが、
ただ、安易にレコーディングの契約にサインしてどんどん作っていくというのは、そういう遺産となる可能性すら
奪ってしまう安直な行為だと思いますよ」