デビュー50周年記念コンサートでのこと。
ファンの熱狂的な拍手に気をよくしたマエストロは、ショパン、シューマンと、気前よく
アンコールに応えていた。で、最後に氏の最も得意とするモーツァルト。曲はハ長調ソナタ
(K.545)。「モーツァルトは子供か大家が弾くと・・・」とはよく言われるが、聴衆も
そんな期待を込めて息を呑んで聴き入っていた。
ところが、その直後、信じられない事が起こってしまったのである。第二楽章の途中、何で
もない左手の伴奏のコードを間違えてしまい、一瞬止まってしまったのだ。会場は一瞬凍り
つき、別の意味で息を呑んだが、やがて、マエストロ一流の演出だと気づくのであった。
子供の弾くモーツァルト!!で、みごとなエンディングを飾ったマエストロは、颯爽と舞台を
後にするのであった。(この奇跡的な演出は、残念ながらCDからはカットされてしまいました。
でも、DVDなら・・・)