>>725
「戦争交響曲」は、正しくは「ウェリントンの勝利」という作品です。
これは、ナポレオンが英国軍に敗退した記念に書かれた作品で、
彼の交響曲7,8番と同時に初演されています。
で、何故「全集に入らない」のか、ですが、理由は大きく3つあります。

@特定の機会のための音楽であること。
 あくまで、戦勝記念の作品なので、後世に伝えられる事を期待していない、
 であろう作品である。

A楽器編成の特殊性
 「キャノン砲」や「小銃」が鳴りっぱなしの作品は、当時の常識では
 「交響曲」ではなかった。むしろ、「交響詩」として分類されるべき作品
 であったものの、当時の分類により「交響曲」と呼ばれた。 

B古典交響曲からの逸脱
 いわゆる「古典交響曲」であれば、第1楽章は「ソナタ形式」ですが、
 (ベートーヴェンの交響曲は9曲とも共通)「戦争交響曲」だけは、
 形式美がとれておらず、明らかに「古典交響曲」の常識から逸脱した作品である。

恐らく、こんなあたりから「交響曲」ではなく、「管弦楽曲」として扱われるのでしょう。
(もし、リスト以降の時代なら「交響詩」として扱われる作品ですよね。)

余談ですが、何年か前に騒がれた「第10番」は、「交響曲」としてスケッチされたものの、
ほとんど煮詰まることなく破棄された作品で、録音は「単一楽章」ですが、
完成していれば当然4楽章フォームのものとなったはずです。