目に付いたものとしては、レコード芸術11月号の海外盤視聴記(広瀬さんという人
が書いてます)と、英文ではhttp://www.classicstoday.com/にレヴューがあり
ます。

前者では、録音がモヤモヤ、テンポが速い、時に乱暴な運び、歌手の歌い方が俗っ
ぽい、微温的といった指摘がある反面、オーケストラの素晴らしさを賞賛しています。
でも、演奏時間を比較すると、クナッパーツブッシュ(1962)とあまり変わらない
し、むしろ長い部分も多いのですよ。歌手の歌い方については指揮者のスタイルと
の兼ね合いがありますから...。私には歌われたドイツ語表現の聖俗は正直なところ
判断できません。
録音はやや遠目のあっさりした音造りですが、1980年のデジタルですし、かのバイ
エルン放送の収録ですから、問題になるようなことはありません。水準以上のオペラ
録音でしょう。

後者における演奏/録音の評価は9/9です。(ちなみにマイスタージンガーは10/8)
クナッパーツブッシュ(何故か1951)と共に「レファレンス」たり得る録音との
意見のようです。

この演奏にはバイロイトの伝統やワグナー演奏のイディオムは希薄なのかも知れ
ません。(今やそんなものあるのかどうか?)でも、クーベリックのローエン
グリンやマイスタージンガーを聴いて、そのスタイルや目指すところを理解して
いる人なら、このパルジファルのスタイルは想像できると思う。

買うか買わないかは確かに二者択一問題なのですが、クーベリックほどの指揮者が、
その晩年に(恐らくは)満を持して録音したものですから、この作品あるいは指揮
者に多少なりとも興味があるのなら、名演か凡演かと二分法で問うより、「とにか
く一聴の価値あり」ではありませんか?