以下、多少不正確ですが、ドイツ文学者にして音楽評論家の岩下真好氏が
書いていたことです。

ドイツ音楽(の指揮)には2つの系譜がある。1つはヴァーグナーから
フルトヴェングラーに至る荘重でオドロオドロシイ後期ロマン派的な流れ。
もう1つは、彼らの圧倒的な存在感に隠れがちだが、地下水脈のように
連綿と流れ続けてきたメンデルスゾーンの系譜。この系譜に連なるのが
他ならぬシューリヒトである。

なるほどと思いました。では肝心のクレンペラーはどうなんだといえば、
そのどちらでもない。ヴィーラントの有名な評言のごとく、古代ギリシア風、
ゲルマン風、ゴシック風、古典主義風、ドイツロマン主義風、表現主義風、
即物主義風、ユダヤ風、現代リアリズム風、その他諸々の諸特性によって
特徴づけられるのがクレンペラーである、とするのが一番当たっているように
思えます。そうだとしたら対極の指揮者などいるはずがない…ですよね。