>>58

カラヤンが、自分の理想的な上演のために妥協しなかったのは事実。
但し、それは上演前の環境を整える段階での政治的な問題であって、実際に指揮台に
上がってからは、常に自分の前で起きている現象に柔軟に対応していたよ。

例えば、プローベでは声が出ていた歌手が、本番になったら声が出ないなんてことは
ざらにある。そういう時、オペラ指揮者はその歌手に合わせてオケの音量を抑えたり
なんてのは当たり前。カラヤンは、こういうところは完璧だったと思う。(決して
好きな指揮者ではないが。)

しかし、小澤は「自分のテンポ」「自分のバランス」を絶対に譲らない。
分かりやすく言えば、声が出ない歌手にでも自分が求める音量を要求するということ。
これは、決して小澤の人間性の問題ではなく、指揮者としてそういう育ち方をして
しまったということ。こういう点が「小澤はオペラの指揮の経験が少ない」と否定的に
言われる理由。

スタジオ録音のことは言わないでくれ。
オペラ指揮者としての力量を測るのは、あくまでも実演だと思うから。