バッハの無伴奏6番を聴き比べ by ウィスヲタ

・ヨヨマ
とにかく音楽的で美しい演奏。
しかし、表現は比較的穏やかで、鋭い表現はあまり用いず、滑らか。演劇で言えば、役者すべてが美形のような感じ。

・ビルスマ
音楽的美しさ、ストーリー的展開、舞曲的要素を非常にうまく
ミックスしているように感じた。
たとえば、アルマンドは「語り」的演奏に思ったが、
主人公として語るのではなく、語り部として事柄をやや
客観的に語っている感じ。非常によいお手本になる演奏だと思う。

・マイスキー
独特なフレージングは印象的。
時にはフレーズを短く切り、ある時は非常に長いフレーズにして演奏している。
しかし、私は完全に相性が悪い。
どうしてそのようにするのか、全くといっていいくらい伝わって来ない。
加速やブレーキのタイミングが自分とは違う人の運転する車に乗っている気分。

・ウィスペルウエィ
ストーリーが見えてくるような演劇的演奏。
プレリュード・・・悲劇の告知。
アルマンド・・・悲劇の主人公の語り。
クーラント・・・他者からの勇気づけ、力づけ
サラバンド・・・自分で自分に語る。しだいに勇気が湧いてくる。
ガヴォット・・・内側から新しい力が生まれ、新しい一歩へ向かう。
ジーグ・・・生まれ変わった姿で舞う。
フィッシャー=ディースカウの音楽表現を尊敬していることもあって、
曲を「ドラマ」として捉える視点は持っているはず。
したがって、場合によってはあえて美音を否定するような演奏もする。
カザルス、フルニエ(ライヴ)、シュタルケル(92)、ロストロ、鈴木秀美、向山佳絵子、今井信子(Vl)もあるので、そのうち聴いてみる。